塾長メッセージ

大人としての意識を持つ

 中、高校生時代に身につけてほしいことはたくさんありますが、なかでも大人としての対応力を意識することではないかと思います。
 現在は違いますが、少し前まで「成人の日」といえば1月15日でした。これはこの日が小正月であり、かつて元服の儀が小正月に行われていたことによると言われています。侍は15歳で元服する、この15という数字に意味があったわけです。かつて15歳は大人として、社会の一員としての自覚を持たなければならない年齢とみなされていたわけです。 現在、大人になる通過儀礼的な意味合いをもつものと言えば、それは高校入試であり、大学入試ではないかと思います。

 昨今は中高一貫校が人気を得ていますが、私個人としては、この年代に将来のことを考えたり、人生が都合よくいかなかったり、挫折したりすることを経験したほうが将来的によいと考えています。この時期に、将来の自分に向かって努力する大切さ、人と交わって学ぶことの大事さ、先輩から伝えられることの意味を理解するなどこの時期にしかできないことが多くあると思います。入試勉強をするのは、単に学力の向上ではなく、入試を通してまさに「人生を考えていく姿勢を養う」ことではないでしょうか。

塾は基礎学力を養うトレーニング機関

 塾としての指導の要点ですが、それは、「基礎学力を身につけさせること」に尽きると考えています。基礎学力というと簡単と思われるかもしれませんが、すべての科目の学力の土台作りは徹底的にやるべきと思います。当塾は高校生も指導していますが、高校生で学力が伸びない一番の原因が基礎学力の不足であると痛感しています。
 中、高生の皆さんに身につけてほしい基礎力に関して、以下の3点を強調したいと思います。
【1】言葉に対する厳密さ・・適当な表現や、曖昧な言葉を使用して、深く考えることを避けようとする生徒が多々見られます。毎年企業が採用の際に学生に臨む一番のポイントは「コミュニケーション力」が挙げています。人が他者と交わる時、自分の考えや思想を表明したい時、その最大のツールは言語です。言葉を知らずに、自分の思想を形成すること自体不可能なのです。なぜ企業がコミュニケーションを筆頭に挙げているかを想像して下さい。 学力の高い生徒とそうでない生徒の違いは、この言葉の力が圧倒的に大きいのだということを強調したいと思います。
【2】抽象的なものから具体的なイメージを形成する力
 昨今、若年層の読書量の低下が社会問題になっています。書物を読むときは、抽象的な文字の羅列で表現された内容を、自分の頭の中でイメージにしていきます。想像力を働かせて、頭の中に像を作成していきます。この思考プロセスが非常に重要です。人間の根本的な能力ともいえます。この能力を鍛えることなしに学力が上がると考えるのは無謀ともいえます。
【3】最低限のことを怠らない姿勢
 私が学生だった頃、ペーパー試験では人間の能力は測れないと反発したものです。しかし今振り返ってみると、普段勉強しない言い訳だったと言えます。自分が教える立場になって、1枚の答案用紙、試験に取り組む姿勢、実際に試験を受けている時の様子を見ただけでその人の能力のかなりの部分はわかると言えます。地道なことを毎日しっかりとやって自分を鍛えている人は、それが反映した答案が書けます。逆もまた真なりです。
 以上は早稲田実業の渡邊校長の生徒指導を参考にしたものですが、あれほどの難関校ですらこのような危機感を持って生徒に接しているのに、我々がしないでどうするという戒めを込めて日々の指導にあたっています。

有名企業が日本人学生を採用しなくなる!

 キャノンの新規採用の8割が日本人ではないというのがニュースになったのは記憶に新しいところです。パナソニックの2011年度の採用計画を見ると1390名採用のうち、海外で外国人を採用する「グローバル採用枠」が実に1100人、残りが国内枠としています。しかもその枠も日本人だけではなく、海外からの留学生を積極的に採用すると発表しています。その他、東芝、ユニクロ、味の素など大手企業に海外出身留学生を積極的に採用する動きが加速しています。社会のために何ができるかを問わず、自分のこと、安全・安定を第一に考える傾向の強い日本人学生は益々採用されなくなるでしょう。

 採用が少ない理由は他にもいろいろ挙げられますが、実際は優秀な人材はどこでも欲しがるのはいうまでもありません。
 優秀な人材の条件とは、第一に「自立・自律型人間」であるということです。自分で目標を立て、自分で努力し、達成したかどうかを自分で評価できることが大事です。 第二に「課題解決型人間」であることです。与えられた課題をいかに上手に解くかより、何が課題であるかを自分で探し出し、その解決法を見出す力が求められます。我が国の教育システムに最も欠けているものかもしれません。
 これらの能力を養うのは、日ごろから問題意識を持つよう対話を重ねることだと考えています。「常識と思っていたことを疑ってみる」、「まったく見えなかったものをあぶりだして新鮮な驚きを与えてみる」などです。そんな時生徒たちは一様に顔を輝かせます。その繰り返しの中で、上記のような人間を育てていきたいと思います。

「手とり足とり指導」が生徒をダメにする原因

 上手な問題の解き方の指導も最低限必要とは思いますが、生徒が気付く前に手とり足とり教えて、それで定期試験で多少いい点を取ることに何の意味があるでしょう。もっと大事な、未来につながる学力の育成を考えていかないと、我々は日本企業であっても外国人の管理者に使用されるに側になってしまいかねません。いえその前にその企業に採用されないのが現状なのです。
 大学を出ても仕事がないから、まずは何か資格を取ってというのは、気持ちはわかりますが、根本的なところで何か違うのではないでしょうか?
 繰り返しますが、優秀な人材はどこでものどから手が出るほど欲しいのです。もし同じ資格を持った人を採用するなら、結局人柄や、前述したようにコミュニケーション力の高い人を採用するのが当然です。要は資格ありきではなく、まずは人間力があるのが前提なのです。向上心を持った人間を、大人の対応ができる人間を育てましょう。

塾長 豊島信一

お問い合わせは 0297-23-4091

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